海の散歩道 九州編/8

7日目、別府から本州に向かう。中津の道の駅で昼食をとる。中津は釜めしらしい。「中津釜めし」この言葉に私は弱い。山菜釜めしをいただく。夕食用に「からあげ」と「おこわ」を購入した。旅も慣れてきたせいか、忘れ物に気を遣うことが少なくなってきた。車内の天井にかかっているネットにものを入れることが癖になってきたからかもしれない。そこは、車内で横になった時ちょうど手の届く位置にあり、置くところを決めたことは正解であった。

九州に来るときには通れなかった関門トンネル、帰りは通れました。関門トンネルは近所の狭いアンダーパスという感じだった。「今は海の底,ソコなんだ。」とつぶやいたような。その後、以前山口県を調べた時、「へえ~。」と思ったくらい美しかった場所、角島、角島大橋へ向かった。しかし、なぜここに橋を作ったのだろうか?観光の目玉を作りたかったのだろうなと思う。天気の良い日、波の穏やかな日は美しい。確かに、美しかった。冬の鉛色の空と荒れる波、舞い落ちる雪その中の橋も見てみたいと思った。(全然違うことですが、もう一つ山陰道を走ってみて思ったのは、無料の地域が非常に多くて、部分開通してまるで岡山バイパスや姫路バイパスのよう。全線開通すると有料化するのだろうか。このことは山陰道を走り終えてから思ったのだった。)

角島を後にした後、三隅町の香月泰男美術館へ向かった。九州に渡る前、宿泊した道の駅おふくに展覧会の案内があった。先にそちらの方に回るか、九州に渡るか迷ったのだけれど、帰りに寄ることにしたのだった。その時、夏の展覧会が終わる数日前だったので、展示替えではと思いつつ向かったのであった。予想通り、1週間ほど展示物入れ替えのため休館と掲示してあった。残念。宿泊予定の道の駅から考えると、少し戻り、長門にある金子みすゞ記念館に行きました。受付の方は気さくな方でいろいろとみすゞさんについて話をして下さり、2階の暮らされたところも案内してくださいました。当時の文具店の様子や帳場の様子が分かるようになっていました。その方は、みすゞさんと記念写真を撮るように何度も強く進めてくださり、一緒に写真を撮ったのでした。彼女の詩は、いつも、人、もの、他の生きものがみんな同じ地平であるけれど、違った立ち位置に立ち、色んな視点から人について考えさせるような気がします。自然の中の一部、自然に包まれてという感じでしょうか。その後宿泊地の道の駅願成寺温泉に向かう。願成寺温泉のオープンデッキで中津で買った唐揚げとおこわを食べていると閉店時間で片づけに入ったレストランの方が「軟骨唐揚げどうですか?安くしておきます。」と来られた。商売がうまい。軟骨もうまい。買っていただく。山中の道の駅、最低気温は6度だった。よく眠れた。

 

角島大橋と水平線            長門市仙崎、金子みすゞ実家前

金子みすゞ実家、帳場から        店内